相関係数・効率的フロンティアによりリスクなくFIRE(早期リタイヤ)することは可能なのか?

投稿日:2024/10/19  更新日:2024/11/24

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    この記事では以下内容がわかります。
  • データに基づいた(相関係数・効率的フロンティア)資産を守る方法
  • 投資先の選定方法

目次

本ブログの目的は、シミュレータを使ってご自身に合わせたライフプランを作り上げることです。
ライフプランは、思い描いている生き方・生活環境等、人それぞれ状況が異なるためご自身に合わせる必要があります。
本記事以外にも様々なシミュレータをご用意していますので、ご利用してみてください。

今回は投資の相関係数・効率的フロンティアについての記事となります。
データに基づいた投資はリスク分散を通じて、より安定したリターンを目指すことができます。

結論

まずは「相関係数・効率的フロンティアによりリスクなくFIRE(早期リタイヤ)することは可能なのか?」についてです。
結論としては今回対象の投資信託銘柄では難しいという結論となりました。
値動きが異なる代表的な銘柄の組み合わせを調べ、最もリスクが小さい時のリターンは以下となりました。

・リターン:0.08%、リスク:0.25%
※リスク、リターンは月利により計算しています。

この結果は1000万円の元金があったとしても、100年後に2600万円程度にしかならない計算となります。
ただし、これは今回調べた銘柄での結果であるため、選択する銘柄により結果は異なります。
以下記事を読めばリターンとリスクをコントロールが可能ということがご理解いただけるかと思います。

投資先選びの全体像

まずは銘柄選択の全体像を確認します。
投資先選びは3つのステップで行います

1. 資産の関係性を調べる
まず、各投資先がどのくらい似た動きをするのかを調べます。
例えば、株式や債券、不動産などの値動きが似すぎていると、リスクが分散できません。
詳しくはにて解説します。

2. バランスの良い投資の組み合わせを探す
異なる値動きをする資産を組み合わせることで、リスクを抑えつつ、安定的な収益が期待できます。
これが「効率的フロンティア」の考え方です。
詳しくはにて解説します。

3. 最適な投資配分を決める
調べた結果を基に、自分のリスク許容度に合わせて、投資先と投資比率を決めていきます。

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相関係数とは何か?

相関係数は、二つのデータセット間の関係性を数値で示すものです。具体的な例を使って説明しましょう。

例: 気温とアイスクリームの売上

正の相関: 例えば、気温とアイスクリームの売上を考えてみてください。気温が上がるとアイスクリームの売上も増える傾向があります。これは正の相関がある状態です。相関係数は +1 に近づくほど強い正の相関を示します。

負の相関: 一方、気温とホットドリンクの売上を見てみましょう。気温が上がるとホットドリンクの売上は減る傾向があります。これが負の相関で、相関係数は -1 に近づくほど強い負の相関を示します。

相関がない: 例えば、気温と本の売上には特に関係がないかもしれません。この場合、相関係数は 0 近くになります。

相関係数を使うことで、二つのデータがどのように関連しているかを理解し、予測や分析に役立てることができます。

相関がない投資先を組み合わせるメリット

相関がない投資先を組み合わせることの大きなメリットは、ポートフォリオ全体のリスクを低減することです。
具体的に言うと:

1. リスク分散
相関がない、または低い投資先(例えば、異なる業界や地域の株式と債券)を組み合わせることで、一つの投資先が悪いパフォーマンスをした場合でも、他の投資先がその影響を相殺する可能性が高くなります。
これにより、ポートフォリオ全体の変動が緩和され、安定したリターンを得やすくなります。

2. 安定したリターン
異なる投資先が独立して動く場合、一つの市場の不調が直接他の市場に影響しにくいため、ポートフォリオ全体のリターンが安定しやすくなります。
これにより、長期的に安定した資産増加が期待できます。

3. 資産保全
経済的ショックや市場の急激な変動に対して、リスクが分散されたポートフォリオはより耐性があります。
一部の投資が損失を出しても、他の投資がその損失をカバーすることで、全体的な損失を抑えることができます。

4. 投資機会の拡大
相関がない投資先を含めることで、多様な市場や資産クラスへのエクスポージャーを持つことができ、様々な投資機会を捉えることが可能になります。
これにより、より柔軟かつ戦略的な投資ができます。

具体例
例えば、株式市場が下落しているときに、債券市場や金のような安全資産が上昇することがあります。
このように、異なる動きをする資産を組み合わせることで、全体的なポートフォリオのバランスを保つことができます。
こうしたメリットを考慮することで、投資ポートフォリオをより強固で安定したものにすることができます。
これにより、長期的な投資成功の確率を高めることができます。

代表的な投信信託の相関係数比較

今回比較する対象は以下です。それぞれ分類が異なる投資信託先となります。

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内債券インデックス
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内リートインデックス
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
・SBI-SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし) (愛称:サクっと純金(為替ヘッジなし))




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効率的フロンティアとは何か?

効率的フロンティアは、現代ポートフォリオ理論の中心的な概念で、投資家が最適なリスクとリターンのバランスを追求するための重要な指針となります。
この理論は、異なる資産を組み合わせることで、投資家が最大のリターンを最小のリスクで達成できる可能性を示しています。

相関が弱い投資信託の効率的フロンティアを確認


実際にどのようなものかを確認したいと思います。
以下投資信託の効率的フロンティアを求めた結果となります。

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内債券インデックス

同じリスクでも保有割合が変わることでリターンを上げられることがわかるかと思います。
このように異なる相関係数の銘柄を組み合わせることにより、リスクをコントロールすることが可能となります。

※パソコンの場合、スクロールで拡大縮小できます。
※保有割合は以下表に対応(左に表示の数値は左の銘柄に対応)


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ご自身による投資先の分析

最後に投資信託の銘柄を分析できるシミュレータを用意しております。
ご自身に合わせた投資先の選定にご活用いただけます。

FIREするために資産運用を考える 投資信託の相関係数の計算

このツールは、SBI証券が提供する投資信託の価格データのCSVファイルから相関係数を計算できます。
価格データを基に統計的な計算を行い、複数の投資信託間の価格変動の相関関係を分析します。
これにより、どの投資信託が似たようなパターンで動くかを把握し、ポートフォリオの分散投資やリスク管理に役立てることができます。
このツールは、投資の意思決定をサポートし、より効果的な投資戦略を立てるための重要な情報を提供します。

・SBI証券の投信信託よりダウンロードできるcsvに対応しています:

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ドラッグ & ドロップ / ファイルの選択

※初期画面では「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500インデックス・ファンド」の相関係数を表示しています。
    期間:2019/09/26~2024/08/09

FIREするために資産運用を考える 投資信託のリターン、リスクの分析 無料シミュレーション

投資信託のリターンとリスクについて、シミュレーションを用いて分析を行います。
この分析では、リターン(利益)とリスク(変動の大きさ)を数値で表し、標準偏差とシャープレシオという指標を使って投資効率やリスク管理の評価を行います。

リターンは投資によって得られる利益を指し、通常は一定期間のパーセンテージで表されます。リターンが高いほど投資によって得られる利益が大きくなります。

標準偏差はリターンのばらつき(変動の大きさ)を示し、リスクの大きさを計測する指標です。標準偏差が大きいほどリターンの変動幅が広くなり、リスクが高いと考えられます。

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シャープレシオは、リスク(標準偏差)に対してリターンがどれだけ効率的に得られているかを示す指標です。具体的には、次の数式で表されます:

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ここで「無リスク資産の利回り」とは、リスクがほとんどない資産(例:国債など)の利回りを指します。
シャープレシオが高いほど、同じリスク水準でより高いリターンを得られるため、効率的な投資であると判断できます。
本シミュレータでは「無リスク資産の利回り」は0として計算します。

このように標準偏差とシャープレシオを用いることで、リスクとリターンのバランスを評価し、投資の効率性を判断できます。


・SBI証券の投信信託よりダウンロードできるcsvに対応しています:

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ドラッグ & ドロップ / ファイルの選択

※初期画面では「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500インデックス・ファンド」の「平均購入価格」を表示しています。

※「1」を設定した場合は月利。「12」を設定した場合は年利での計算結果となります。
ご自由にリスクリターンを求める期間を設定できます。


FIREするために資産運用を考える 効率的フロンティア 無料シミュレーション


このシミュレーターは、SBI証券から取得した金融データをもとに、ポートフォリオの効率的フロンティアを算出するツールです。
csvファイルを読み込ませことで、分散投資の効果を視覚的に理解し、リスクとリターンを考慮した最適な資産配分を検討できます。
シミュレーターでは、各銘柄の期待リターンやリスクを基にポートフォリオ全体のリスク・リターンの関係を分析し、効率的な資産配分を探索するための効率的フロンティアを描き出します。

前提:
リターン、リスクは月利で計算しています。

SBI証券の投信信託よりダウンロードできるcsvに対応しています:

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ドラッグ & ドロップ / ファイルの選択

※「チャート表示」ボタンを押すと初期設定では「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500インデックス・ファンド」が表示されます


「本サイトについて」
本サイトは、国家資格である「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」の資格を持つ専門家が監修しています。
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